​※ の項目は必須です

池袋不動産FP事務所 

Well-being.Tokyo株式会社 all rights reserved

不動産って本当に「不動」産?

 

2015年1月3日ブログを加筆修正

(当時と現在では状況が変わった点も多々ありますが、当時と現在の違いを確認すること、その違いが将来を見通す糧にもなりうることから、原文を極力残しています)
 

言葉のアヤの様なタイトルですが、民法第86条に「土地及びその定着物は、不動産とする」との規定がしっかりされているので、少なくとも土地や民家はこの範疇に入ると考えて間違いありません。

 

また、土地または建物(または両方を一括)を購入すれば、安くない登録免許税や司法書士の手数料を払う痛みはあるものの、法務局に行けば自分の名前が記された全部事項証明(謄本)が幾らでも貰えるので、「一家の主」感は結構なものです。

 

だが、ここで「人生双六」のゴールだと思って安心していると、あまり思わしくなく、場合によっては自分の身を危険に晒す事すら有り得なくもないのでご注意を。

既に各媒体の広告や記事などで知らされている事だが、今後も増税等があれば更にハードルが高くなるので、その前に周知したく記しておく事とします。

 

※土地

後に記す建物に比べると「不動」産である側面は強い。ローンや税金がきちんと払えれば、誰かに持っていかれる心配は少なく、確かに手元に残ります。

とはいえ、「残ればいい」かといえば、多分誰にとってもそれだけでは足りません。

 

1)天災リスク

今更説明するまでも無いことですが、東日本大震災の大津波で土地が流され、登記を放置して権利関係が複雑になり過ぎてしまった土地の使い途に苦慮しているニュースは、今迄何度か報じられています。

 

かなりの大作なので全部読むのは大変ですが、第三章(P72)以降だけでも読んでみれば、復興の難しさが分かると思います。

 

東日本大震災復興支援Q&A (第1版) - 日本弁護士連合会(pdf)

 

また、都心に近いエリアでも液状化が発生し、大規模な土地改良を施す必要に迫られてた事により訴訟も起きていました。この災害に遭った住民に同情の余地は無いとするのはさすがに酷だと思います。

※2016年、住民側敗訴確定

 

今の日本で、「土地ありき」を否定するのは困難であり、上記リスクを個々人で解決するのは非常に難しいですが、「未来永劫我が土地は不滅」と信じて疑わないのであれば、せめて地震保険等でリスクをカバーしておきたいところです。

 

2)動的リスク

一言で説明するのは難しいですが、不動産を巡る人・物・金により不動産価値が乱高下する事もある点を忘れる訳にいきません。

天災リスクに比べ土地自体が無くなってしまう事は無いが、最早持っていても仕方無い位に価値が無くなる懸念すらある程になることも。

 

その一方、「吊り上げ」と言っていい位に価値が向上し過ぎても、住み易さ、治安等が脅かされる恐れもあるので中庸が一番良いのですが、中々そうはいかないのが世の中。

他にも色々あるでしょうが、この二点だけでも念頭にいれておくのと、そうでないのとでは「住まい方」に差が出てしまい、悪くすると何かのリスクに晒される事もありそうです。

 

※建物

地震は勿論、火事でも建物は使用不能になる事もあり、「不動」の筈が消えて無くなる懸念については、地震が多く木造家屋主体の日本に住んでいれば、敢えて説明するまでもないと思います。

ただ、土地と同じリスクにだけ注意すればいいかと言えば、そうはいかない点が厄介です。

 

3)劣化リスク

都市圏内で活動しているのであれば、昨年(2014年)の消費税増税を受け、一昨年(2013年)あちこちで足場と養生のかかったマンションを多数見たと思います。

消費税増税と修繕の関連は、こちらで上手くまとまっています。

 

消費税とアパート経営-その扱い方は?

 

それなりに劣化の進んだマンションで一昨年何も対処していないとすれば、根拠の無い自信か、修繕積立金が無いか、管理が破綻しているか、どれかでしょう。

この「劣化」については、以前のブログ記事で指摘した新耐震基準に関わりなく、進んでいる物件は進んでいるので、一律の尺度は「ない」と思ったほうが賢明です。

(ただ、築年数と正の相関があるので、旧耐震マンションは尚進んでいる懸念が強い)

 

とは言われても、建築士でもない者が建物の劣化を漏らさずチェックするのは、私を含めてとても難しいこと。

個人的に近隣建物の劣化を見掛けたら写真に納めたりもしていますが、流石に他所様の建物なのでここには載せられないのでご容赦を。

 

前職でイケてないマンション管理組合の議事録を読んだ事がありますが、「上階の配水管が破断して下階が水浸しになった」「外壁タイルが一斉に割れて通行人が負傷した」等が議題にありガックリきた事があります、でもこれが事実です。

 

マンション管理は放置を決めこめば見掛け上とても安く済むのは確かですが、後々重いツケが回るので、適正な修繕積立金は容認して後手に回らぬ様修繕をしていけば、派手に壊れる前より結果的には安く済む事も確かですが、合意形成が非常に難しいところです。

 

と、ここまでマンションの事ばかり挙げてきましたが、一軒家とて例外ではありません。むしろ、マンションは修繕費が高額な代わりに所有者が応分に負担するが、一軒家は一部自治体の補助があるとは言え自己責任なので、いざ修繕しようと思った時の負担額はかなりのものとなる覚悟を。

 

4)欠陥住宅

個人的には、今後はそもそも建てた時点で欠陥がある事例が今後増えるのではないかと懸念する。

景気の回復傾向、不動産価値の向上による投資熱、オリンピック需要等により、建設業の人材不足は相当に深刻になってきた。

「違約金を払ってでも工期を遅らせないと、人繰りがつかない」レベルに達したとの噂も聞いている。(※ブログ掲載時)

 

自治体の竣工検査をある程度信用し、いざとなったら最近拡充された保証制度を利用するより他無いのが現状ですが、本音ではそんな厄介も御免被りたいところ。

充実してきた保証制度も完璧ではないので、医療のセカンドオピニオンの様な制度が定着すれば良いが、こちらも担える人材が不足しています。

(いるにはいるが、皆様大忙しです)

 

人口が顕著に減少し、新築の需要も減ってくれば自動的に解決するかもしれませんが、後ろ向き過ぎていただけないと思うのは、私だけでしょうか?

​2017年10月9日