賃貸管理を取り巻く面々 

 

2015年5月6日ブログを加筆修正

 

「面々」等と書くと、さも悪人揃いの様な雰囲気ですが、特に誰かを貶めるつもりはありません。

 

ただ、事によると非常に殺伐とした状況となるので、何となく「面々」が、しっくりと来ることがあるのも残念ながら確かです。

 

 

不動産業に精通していないと、あちこちに看板を掲げる不動産屋が皆同じ仕事をしている様に見えるかもしれません。

 

しかし、もし本当に全社同じ仕事をしていたら、あっという間に共食いを始め、これだけの数の業者が生き残れる訳がないのはお分かりかと。

 

 

そんな中、私は宅建を取得した後、どういう訳か一般的な「営業」には回らず契約事務や賃貸管理等の裏方系ばかり携わってきました。

(「元気に営業!」キャラが合わないからでしょうか…)

 

 

もし、借りる側として不動産屋と関わるとすれば、大概は物件を紹介してくれた業者で契約し初期費用を支払い、(一部管理会社に出向いて貰う事もあるが)、そのまま鍵を受け取りめでたく入居となるのが一般的段取りです。

 

 

しかし、貸す側から見ると多数の業者(または複数の担当)が関わって、やっと1件の入居が決まる仕組みになっている事が大概です。

 

 

今は、入居者の要望の多様化、流行の変化が早くなった事もあり、個人オーナーが自力で全部対処するのは非常に大変なので、かなりの物件は管理会社が付いています(私もそこに在籍していました)

 

 

では、管理会社は皆で「管理」ばかりやっているかと言えば、そうでもありません。

 

管理といってもやることは色々です。

ここは、アメリカ式の分類が分かりやすいので、その分類で説明します。

 

 

AM(アセット・マネージャー)→投資家から募った資金を投資し、最大限の収益を目指す(本来は不動産だけに限らない)

 

 

PM(プロパティ・マネージャー)→各不動産物件を適切に管理し、満室を目指すと共に滞納など収益を損なうリスクを減らす

 

 

BM(ビル・メンテナンス)→そこそこ大きな建物になると様々な設備機器が備わっており、また経年劣化による問題も生じる事から、事前にリスクを予知し改善策を講じる(ビル・マネージャーと呼びたいが、一般的ではない)

 

 

これを日本の賃貸管理に当てはめると、「管理営業」職がAM(不動産に限る)+PMを少し、「管理部門」が主にPM、BMは外注する事が多いが管理部門の誰かが物件を巡回し外注先を選定するのも、まあBMの一環になるかと。

 

 

アメリカ式と日本式で多少担当が異なってくるが、ここである問題が生じる。

 

 

AMの目標を短期的に最大化するなら、一番簡単なのは「管理しない事」に尽きる。修繕費だの何だのが掛からないから、賃料収入がそのまま売り上げになります。

 

 

PMの目標を最大化するなら、専有部分にバンバン金をかけて入居を決めてしまえば、実は後にやる事はあまりありません。とにかく頭痛の種は空室、それも金をかければ決まる可能性は高くなるが、AMの目標とは逆方向なので、時には険悪な関係に。

 

 

BMの仕事を邪魔すると、物件があっという間にスラム化する事はAMもPMも分かっているが、1発1,000万円台の修繕等もあるので、余程根回し良く、根気強く取り組まないとAMやPMに話を聞いて貰えない。また、そんな事を考えている間にも、どんどん小修繕が舞い込んでくるので大忙しだったりします。

 

 

ざっと読んで貰っても、各担当がお互いを尊重しないと、殺伐としてしまい全然物事が進まなくなるだろう事は察しがつくのではないかと思います。実際、私は(狭義の)管理担当として動く事が多いので、「管理営業」とは偶に喧嘩の様な言い合いになる事は珍しくありませんでした。

 

 

時折客付け業者(入居希望者がまず先に訪れる不動産屋の殆ど)から、「管理はいいですね」と言われる事があるが、むしろクレームや社内抗争に辟易する事も多いんだよと言っておきたいけど、胸の内に。

 

 

私が知る限り、AMが強過ぎて「管理しない管理」が当たり前の「(非)管理会社」が多い事も指摘しておきたいところ

そういう業者の物件は内見に行けば大体分かるので、避けて通る事をお勧めします。

​​2017/10/14